金属アレルギーに気をつけて
2018.08.02
汗をかく季節ですね。
今日は、意外と誤解の多い「金属アレルギー」についてお話したいと思います。
いつも通りジュエリーを身に着けていても、(あれ?ちょっと、かゆいな)と思うこと、あるかと思います。
もしかしたら、それは金属アレルギーかもしれません。
実は金属アレルギーはある日突然なってしまうことも多いのです。
【そもそも金属アレルギーって何?】
普通、金属に触ってもアレルギー反応をおこすことはありません。
ただ、汗などで金属が溶けてイオン化し、それが体内に入ってタンパク質と結合すると、本来持っていないタイプのタンパク質に変化します。
それを身体が異物として記憶し、次に同じ金属に触れた時にアレルギー症状を起こす、これが金属アレルギーです。
【金属アレルギーって生まれつきの体質なの?】
金属アレルギーは生まれつきの体質ではありません。
金属アレルギーになる人は年齢、体質も様々。非常に個人差が大きいです。
アクセサリーを着ける機会の多い女性に多いとは言えますが、原因となる物はアクセサリーだけとは限りません。
たとえばベルト、時計、メガネのフレーム、下着や衣類の金具、携帯電話、歯の詰め物、化粧道具など、日常生活の中に原因となるものはたくさん存在します。
また同じ人でも、体調の変化によって症状がでたりでなかったりということもあります。
金属アレルギーは遅延型アレルギーと呼ばれ、物質に接触してすぐ症状が現れるわけではないため、誰にでも突然発症する可能性があります。だからとっても怖いのです!
【どんな人が金属アレルギーになるの?】
まず、20歳前後の女性に多いです。それはピアスの穴を初めて開ける場合が多いからだと思われます。
ピアスは皮膚に穴をあけるため、金属が体液にさらされるためです。
それから40代の女性にも金属アレルギーを発症する人が多いというデータがあります。
その理由ははっきりしませんが、おそらく長期間にわたるピアスやネックレスなどの装飾品の装着や、金属粒子を含んだ化粧品を長年使用してきたため、身体に徐々に異物として記憶されてしまったのではないかと思われます。
【どんな金属がアレルギーになるの?】
金属アレルギーを起こしやすい金属としては、ニッケル、クロム、コバルト、水銀などがあり、チタン、金、銀、プラチナなどはアレルギーを起こしにくいと言われています。
価格の安いアクセサリーはニッケルが使われている場合が多く、注意が必要です。
また歯科治療で詰めものに反応を起こすこともあります。ずっと前に詰めた金属が急に反応する、ということもあり得ます。
値段の高い金やプラチナでも、アレルギー反応を起こす場合ももちろんありますし、ホワイトゴールドなどのメッキの下地にニッケルが使われることもありますので、まずはその人がどの金属に反応するかを見極めることが大切なのです。
【アレルギーにならないためには?】
一度金属アレルギーになってしまうと、ほとんど一生その体質は変わりません(どんどん重症化することも)。薬で治るものではないのです。
なので・・・
- アレルギーになりやすい金属を出来るだけ避ける(成分の分からないアクセサリーは付けない)
- 夏やスポーツ時など、汗をかく時には出来るだけアクセサリーを着けない(装着時に汗をかいたらすぐ拭く)
- 初めてピアスの穴をあける場合は、汗をかきやすい季節を避け、ファーストピアスは影響の少ない純チタン製やセラミック製のピアスをしばらく使用する
など、日常で注意出来ることはたくさんあるので気を付けましょう。
【金属アレルギーかどうかをチェックするには?】
どの金属に反応するかが分かれば、日常で出来るだけその金属との接触を避けることが出来ます。
一般的には皮膚科でパッチテストという検査を受けると、その反応によってアレルギーを起こす金属が分かります。
ただ前記のように反応がすぐ表れない場合も多いので、100%結果を信用してはいけません。
大切な事は、日常生活で少しでも金属が触れている部分が痒く感じたり、赤くなっているのを発見したら、重症化しないうちにすぐ対処すること。
まずは皮膚科の診察を受けることをお勧めいたします。
金属アレルギーについても正しく理解し、ジュエリーも楽しく身に着けることが出来れば嬉しいですね。