遠隔地からのサポートの仕方について~北海道地震で東京にいる私が学んだこと

心に明かりをともすランタン

 

9月6日早朝、いつものように飼い猫に起こされてふと時計を見ると4時前。

餌をあげて普通ならもう少し眠るのですが、何となく胸騒ぎがしてテレビをつけると、北海道地震のニュースが目に飛び込んできました。

 

眠気も吹っ飛び、私は大慌てで携帯を手にしある方に安否確認のメッセージを送りました。

コンサルを受けて普段大変お世話になっている名古屋の丹羽綾さんが、セミナー開催のために札幌にいらっしゃることを知っていたからです。

 

不安な気持ちで文字を打ちました。

「綾さん、大丈夫ですか??」

「大丈夫じゃないですーー!停電で真っ暗です!」

「信号も消えているようですね。危ないのでホテルの中にいらした方がいいです。ニュースの情報をお知らせしますので」

 

そう伝えて、テレビ番組をはしごし、パソコンの画面を開き、情報を集め始めました。

私が見ているニュースの画面も見られず、窓からの景色が真っ暗闇では、どれだけ不安か想像できます。

電気が復活するまでスマホのパワーはできるだけキープしたほうがいいと思い、

「時間のかかる調べ物はやりますので、指示してください」

「では電気の復旧状況と新千歳空港の状況がわかったら教えてください」

「わかりました!すぐ調べます!」

 

頻繁にメッセージのやり取りが始まりました。

 

停電は北海道全域にわたり、復旧のめどが立っていないということはすぐわかりましたが、新千歳空港の状況は、サイトがつながらずなかなかわかりませんでした。

ただニュースで終日クローズと報道されていたのでそれを伝えると、

「旭川空港と中部国際で便はありますか?」

 

早速旭川空港便の予約状況を調べましたが、予約で満席ということしかわからず、空港の状況がわかりません。旭川空港のサイトがなかなかつながらなかったのです。

しばらくしてやっと自家発電で機能しているということや、飛行機も飛んでいるということが分かりました。

 

私はここで、最大のミスをしてしまいました。

綾さんと同行している方について正確に把握していなかったのです。

「本州から三人、一人車の人がいる」

お聞きしたその情報から本州から一人は車で来たのだと私は大きな勘違いをしてしまったのです。

 

実際はお車の方は旭川に住んでいて(実は私も面識のある方)、いつもなら高速バスを使うのに、そのときはたまたま車で来ていた・・・

だったら、とにかく機能している旭川空港に向かいギリギリまでキャンセル待ちをする、そして難しければその方のお宅に・・・というのが当然正解でしょう。

 

私がこの情報を正確に把握していれば、この後あれこれ的違いな情報を伝えアドバイスして混乱を招くことはなかった。

私は旭川に向かう以外の選択肢を模索し始めてしまいました。

函館に行けば、飛行機と新幹線の2つの選択肢ができる。旭川よりも可能性はあるのではないか、フェリーは動いているのか、とにかく北海道を脱出すれば青森から飛行機で帰れるのでは?道路、フェリー、新幹線、函館空港・・・

あれこれサイトを見ていた時間は結果的には必要なかったのです。

 

幸い綾さん達はすでに旭川に向かっていらっしゃいました。

そして思ったよりも早く到着して、キャンセル待ちの列に並ばれました。

本当に良かったです。

当日は残念ながら飛行機に乗ることは出来ませんでしたが、その夜は旭川のご友人のお宅は電気が通っていて、食事もちゃんと召し上がり、お休みにもなれたようです。

 

 

私は東京という離れた場所から何か役に立ちたいという一心で情報を探して伝えましたが、結果的に大いに反省することになりました。

一連のことで私が学んだ3つの教訓

 

  • 相手の置かれている状況を正確に把握する
  • あやふやな情報を伝えない
  • 最終的な選択は現地に任せる(無理強いしない)

 

相手の状況を正確につかんでいないことには、的確なアドバイスなどできません。

そして「〇〇のようです」「〇〇かもしれません」のようなあやふやな情報はかえって不安を招くことになりかねません。

そして、あくまで自分の考えは参考として伝え、最終決定は現場にいる方に任せること。やはり状況判断は現場が一番なのです。

 

綾さん達は翌朝改めてキャンセル待ちの列に並び、午前11時ごろの飛行機で無事に北海道を後にし帰路につくことができました。

昨日無事にお帰りになった記事を見て、本当に本当にホッとしました。

 

私にとっても、長い一日でした。

そして、大変な状況にある方の役に立ちたいという気持ちが、一歩間違えばかえって大きな迷惑をかけてしまうかもしれない。

そのことを肝に銘じたのです。